【TIME】自転車の全モデルを比較|おすすめのロードバイクはどれ?

  • TIMEの自転車は種類が多くて、どのモデルを選べばいいかわからない
  • サイロンとフルイディティで、フレームの何が違うのか知りたい
  • 初めてのTIMEにおすすめのロードバイクはどれ?

「TIME」は1987年創業のカーボンフレーム製造を主力とするフランスの自転車ブランドで、レース志向のサイクリストからロングライド派まで幅広く支持される欧州屈指のカーボン専業メーカーです。繊維を筒状に編み上げる独自構造と、樹脂を高圧で注入して成形する製法による個体差の小ささに定評があります。

自転車は自分の走り方や走る路面に合わないモデルを選んでしまうと、乗り心地やペースの伸びにも影響します。長く付き合える1台を手に入れるためにも、TIMEの自転車は各モデルの性能や特徴の違いを理解して選ぶことが大切です。

この記事では、TIMEの特徴や独自テクノロジーをわかりやすく解説し、現行の自転車を全モデル比較します。用途別のおすすめモデルも紹介しますので、TIMEの自転車が気になっている人はぜひチェックしてください。

タップできる目次

TIMEとはカーボン一筋のフランス発自転車ブランド

TIMEは1987年にフランスで創業し、カーボンフレームだけを作り続けてきた自転車ブランドです。多くの量産ブランドが製造を外部の工場へ委託するなかで、TIMEは設計から繊維の編み込み、成形、塗装までをヨーロッパ内の自社設備で完結させています。

素材メーカーから買ったシート状のカーボンを貼り合わせるのではなく、繊維の段階から自社で扱う体制がTIMEの出発点です。工程の上流を押さえているぶん、狙った剛性やしなりをフレームの部位ごとに作り込めます。

TIMEの自転車が高価格帯に位置する理由も、手のかかる製法と欧州内生産にあります。国内では正規代理店を通じた流通で、サイズ選びや保証の相談の窓口も正規販売店です。

TIMEのブランドコンセプト

TIMEが掲げるのは「Le Defi(挑戦)」という言葉です。生産コストの安い地域へ工場を移す道を選ばず、カーボンという1つの素材に絞って技術を積み上げてきた姿勢が、ブランドの根幹にあります。

カーボン専業を貫いたことで、TIMEには繊維の種類や編み方、樹脂の流し方が乗り味にどう跳ね返るかという知見が蓄積されました。同じ形のフレームでも、内部でどの繊維をどこに配置するかで踏み心地は変わります。

乗り手の身体に機材を合わせるという考え方も、創業時から変わりません。TIMEの自転車を選ぶことは、規格の寄せ集めではなく設計思想ごと選ぶことに近いといえます。

TIMEの歴史・創業背景

TIMEの出発点はフレームではなくペダルでした。Look出身のエンジニアが、靴とペダルの固定に自由度を持たせるフローティング機構付きのビンディングペダルを生み出し、1989年のツール・ド・フランス制覇でその発想の正しさが証明されます。

1993年、TIMEはRTM工法によるカーボンフレームの製造に乗り出しました。航空宇宙や自動車の分野で使われていた樹脂注入の技術を自転車に持ち込んだ点が、当時のカーボンフレームとの大きな違いです。

その後TIMEは2016年にロシニョール傘下へ入り、2021年にはペダル事業と自転車事業がそれぞれ別のグループへ引き継がれました。フレーム事業はCardinal Cycling Groupのもとで欧州内生産を続けており、日本の取り扱いも正規代理店が継続しています。

TIMEの特徴・強み

TIMEの最大の強みは、繊維を編み上げる構造と樹脂注入成形を組み合わせた製法にあります。フレーム内部に空気層が残りにくく、完成したフレームの個体差が小さいため、カタログどおりの性能が手元の1台でも出やすいのが特徴です。

しなやかさと反応の良さが同居する乗り味も、TIMEの自転車が評価される理由です。踏んだ力は素直に前へ進み、路面の細かい振動はフレームが吸収するため、長時間乗っても疲れが溜まりにくくなります。

国内の取り扱いは正規代理店の株式会社ポディウムが担っています。購入や保証、サイズ相談は正規販売店経由となるため、検討段階から取扱店に相談しておくのがサイズ選びで失敗しないコツです。

TIMEの機能とテクノロジー

TIMEのフレームが「しなやかで上質」と評される背景には、4つの中核技術があります。製法・構造・素材・ヘッドまわりのそれぞれが、乗り味のどこに効いているのかをあわせて解説します。

用語を押さえておくと、後半のモデル比較で登場するスペックの意味がそのまま読み取れるでしょう。TIMEの自転車は全モデルが共通の技術基盤の上に立っているため、技術を理解することが用途に合った1台を選ぶ近道です。

TIMEの自転車に採用されている代表的な中核テクノロジーは、以下の4つです。

  • RTM (レジントランスファーモールディング)
  • BCS (ブレイデッドカーボンストラクチャー)
  • ダイニーマ強化カーボン
  • TIME Quickset

RTM (レジントランスファーモールディング)

RTMは、外型と内型のあいだに樹脂を高圧で注入してカーボンを成形する製法です。一般的なカーボンフレームは、樹脂をあらかじめ染み込ませたシートを型に貼り、内側から風船で圧力をかけて焼き固めます。

TIMEのRTMでは、乾いた繊維を型にセットしてから樹脂を流し込むため、繊維の隅々まで樹脂が行き渡り、気泡やボイド(樹脂が回らずに残る空隙)が残りにくくなります。内型を使うことで外側だけでなく内側の面まで精密な成形が可能で、ワックスでできた型は溶かして再利用する仕組みです。

製法のおかげで、TIMEのフレームは1本ごとの重量や剛性のばらつきが小さく仕上がります。カタログスペックと実車の感触が近いことは、高額なフレームを選ぶ側にとって見逃せない利点です。

BCS (ブレイデッドカーボンストラクチャー)

BCSは、繊維を筒状に編み上げてフレームの骨格を作るTIME独自の構造です。カーボンだけでなく、ケブラーやベクトラン、バサルトといった性格の異なる繊維を自社の編み機で組み合わせます。

シート状のプリプレグを貼り合わせる製法では、繊維はどうしても継ぎ目で途切れます。BCSでは編み込まれた繊維がフレームの全長にわたって連続するため、力の伝わり方が滑らかで、繋ぎ目を起点とした応力の集中も起きにくい構造です。

踏み込んだときに硬く跳ね返すのではなく、ひと呼吸ためてから押し返すような独特のしなりは、BCSの連続した繊維が生み出しています。ダンシングで車体を振ったときの粘りを重視する人ほど、違いを感じ取れる構造です。

ダイニーマ強化カーボン

ダイニーマは、同じ重量の鋼と比べて15倍の強度を持つバイオベースの高強度繊維です。TIMEはダイニーマをBCSの編み込みそのものに織り込み、応力が集中する部位へ狙って配置しています。

配置先はヘッドチューブ、ダウンチューブ、トップチューブが交わる交点まわりで、重量比にして20〜25%を占めます。落車や飛び石で衝撃が加わりやすい部分を繊維の段階から補強しているため、フレームを厚く重くせずに耐衝撃性を高められるのが利点です。

振動を減衰させる性質もダイニーマの持ち味です。荒れた舗装路やグラベルで細かい突き上げが手や腰へ届きにくくなるため、現行では「NXR」「フルイディティ」「ADHX45」の3モデルに採用されています。

TIME Quickset

TIME Quicksetは、ステアリングカップをフレーム成形時に構造へ一体化した特許ヘッドセットです。後から圧入するのではなく、フレームの一部として最初から成形されています。

一体化によって、ステムの着脱とヘッドまわりのプリロード調整を切り離せる点がQuicksetの利点です。ステムの高さや角度を変えたいときに、ベアリングの締め具合を一から調整し直す手間がかかりません。

プリロードが安定していると、ハンドリングの手応えがライドの前後で変わりにくくなります。整備の頻度が高い人や、ポジションを詰めながら乗り込みたい人ほど、TIMEのQuicksetが持つ扱いやすさの恩恵を受けられます。

TIMEの自転車の全種類を比較

TIMEの自転車のラインナップは、国内正規代理店が扱う現行5モデルです。レース向けからエンデュランス、グラベル、リムブレーキ用のフレームセットまで幅広く、用途と対応タイヤ幅を軸に見ると自分に合う1台が絞り込めます。

まず全モデル比較表でラインナップの全体像を確認し、そのあと各モデルの詳細を順に紹介します。カテゴリーと最大タイヤ幅の2項目を先に見ておくのが、比較を早く進めるコツです。

スクロールできます
モデル名 カテゴリー フレーム素材 最大タイヤ幅 ブレーキ方式 サイズ展開
サイロン フラッグシップレース GEN2 BCSカーボン 700×32C フラットマウントディスク XXS〜XL
フルイディティ エンデュランス ダイニーマ強化BCS 700×40C フラットマウントディスク XS〜XL
ADHX45 グラベル ダイニーマ強化BCS 700×32〜45C/650×50C フラットマウントディスク XS〜XL
NXR ピュアロード ダイニーマ強化BCS 700×32mm フラットマウントディスク XS〜XL
アルプデュエズ リム リムブレーキロード BCSカーボン 28C リムブレーキ(キャリパー式) XS〜L

サイロン

サイロンの製品画像

項目 内容
モデル名 サイロン(SCYLON)
カテゴリー フラッグシップレース
ブレーキ方式 フラットマウントディスク
シートポスト 専用エアロカーボン(-20/+10mm)
変速対応 電動シフト専用

「サイロン(SCYLON)」は、TIMEのフラッグシップに位置づけられるレース向けロードバイクです。エアロ性能と軽さ、ハンドリングの3つを高い次元でまとめており、ラインナップのなかで最も速さに振った1台になります。

現行のGEN2では、東レのM46JとT800を70対30でブレンドしたBCSレイアップを採用しました。前世代と比べて空気抵抗を12%改善し、ねじり剛性を9%向上、1サイズあたり100g以上の軽量化も果たしています。

繊維の角度を層のなかで連続的に変化させるディレクショナルモーフィングにより、踏み込んだ力が逃げにくく、高速コーナーでも車体が落ち着きます。タイヤクリアランスは700×32Cまで広がったため、荒れた舗装路では空気圧を落として走る選択も可能です。

レースやファストライドで一番速いTIMEを求めるサイクリストにおすすめのロードバイクです。ただしシートポストは専用のエアロカーボンで、変速も電動シフト専用のため、機械式で組みたい人や汎用パーツで自由に構成したい人には向きません。

フルイディティ

フルイディティの製品画像

項目 内容
モデル名 フルイディティ(FLUIDITY)
カテゴリー エンデュランス
ブレーキ方式 フラットマウントディスク
シートポスト 27.2mm(一体型クランプ)
変速対応 電動シフト専用

「フルイディティ(FLUIDITY)」は、ロングライドやグランフォンドを主戦場に据えたTIMEのエンデュランスロードです。1日中サドルに乗り続けても体への負担が溜まりにくいことを最優先に設計されています。

ジオメトリーの作り込みがフルイディティの核心です。ヘッドチューブは従来のロードモデルより2cm以上高く、スタックの調整幅は45mm確保されているため、前傾のきつさを無理なく調整できます。

フレームにはダイニーマ強化BCSカーボンを使い、路面からの細かい突き上げを受け止めます。700×40Cまでの太いタイヤが収まる一方、チェーンステーは425mmと短くまとめられており、ロードバイクらしい軽快な加速も残る設計です。

長距離を楽に速く走りたい人や、荒れた舗装路を走る機会が多い人におすすめの自転車です。快適性寄りの味付けなので、クリテリウムのような短距離高強度のレースを主戦場にするなら「サイロン」のほうが噛み合います。

ADHX45

ADHX45の製品画像

項目 内容
モデル名 ADHX45
カテゴリー グラベル
ブレーキ方式 フラットマウントディスク
シートポスト 27.2mm
変速対応 電動/機械式、1x/2x対応

「ADHX45」は、TIMEのグラベル最上位として未舗装路での安定性と走破性に振り切ったモデルです。ダートや林道を含むコースを、舗装路と同じテンポで走り続けることを狙っています。

タイヤクリアランスは700×32〜45C、あるいは650×50Cまで。太いタイヤを飲み込むために、シートステーとチェーンステーを細く長く取り直し、フォークレッグを外側へ広げる設計変更が加えられました。細く長いステーは、同時に縦方向のしなりを生んで突き上げを和らげます。

ダイニーマを織り込んだBCSカーボンが飛び石や段差の衝撃を受け止め、変速は電動・機械式のどちらにも、1x・2xのどちらにも対応します。長距離を担ぐグラベルほど、組み方の自由度が使い勝手の良さに直結する仕様です。

ロングダートやバイクパッキング、グラベルレースを視野に入れる人におすすめの自転車です。舗装路専用として使うにはタイヤまわりの余裕が過剰になるため、ロード中心の使い方なら「NXR」や「フルイディティ」を検討したほうが素直に走ります。

NXR

NXRの製品画像

項目 内容
モデル名 NXR
カテゴリー ピュアロード
ブレーキ方式 フラットマウントディスク
シートポスト 27.2mm(一体型クランプ)
変速対応 電動対応、1x/2x対応

「NXR」は、2026年に国内発表されたTIMEの新型で、「ピュアロード」を名乗るシンプルなロードバイクです。エアロの追求もオフロードへの対応も脇に置き、舗装路を気持ちよく走ることだけに焦点を絞っています。

ジオメトリーはレースモデルほど攻撃的ではなく、エンデュランスモデルほどアップライトでもない中間に置かれました。普段のライドからヒルクライム、たまに出るイベントまで、1台で守備範囲を広く取れる設定です。

フレームはダイニーマ強化BCSカーボンで、フォークにはサイロン譲りのテーパード形状とケブラー補強のステアリングコラムを組み合わせています。最大32mmタイヤとフル内装ケーブルに対応しながら、クリアラッカー仕上げで編み込みカーボンの表情をそのまま見せる意匠も持ち味です。

初めてのTIMEとして選びやすく、正統派のロードバイクを探している人におすすめのモデルです。ケーブルをフレーム内へ通す構造上、簡易的な整備は取扱店に任せる前提になる点だけ踏まえておくと安心できます。

アルプデュエズ リム

アルプデュエズ リムの製品画像

項目 内容
モデル名 アルプデュエズ リム(ALPE D’HUEZ RIM)
カテゴリー リムブレーキロード
ブレーキ方式 リムブレーキ(キャリパー式)
シートポスト 27.2mm
変速対応 機械式/電動式対応

「アルプデュエズ リム(ALPE D’HUEZ RIM)」は、ディスクブレーキ化が進んだ現在では数少なくなったリムブレーキ対応のフレームセットです。完成車ではなくフレーム単位での供給となるため、手持ちのパーツを組み替えて仕上げる前提のモデルになります。

フレームはBCSカーボンで、フォークにはVectranで補強したテーパードステアラー、ヘッドまわりにはTIME Quicksetベアリングを採用しています。タイヤクリアランスは28Cまで、サイズはXSからLまでの4展開で、変速は機械式と電動式のどちらにも対応する仕様です。

ケーブルの取り回しがシンプルなぶん、整備や輪行での扱いやすさはディスクモデルより上です。リムブレーキ用のホイールやコンポーネントを持っている人なら、フレームだけを入れ替えて資産を活かせます。

手持ちのリムブレーキ機材を使い続けたい人におすすめのTIMEです。ただし国内では受注生産に近い扱いで納期が3〜4カ月かかるため、シーズンに合わせたい場合は早めに正規販売店へ相談しておく必要があります。

まとめ

この記事では、TIMEというブランドの成り立ちとRTM・BCS・ダイニーマ強化カーボン・TIME Quicksetという4つの中核技術を解説し、国内で流通する現行の自転車を全モデル比較しました。どのモデルも編み込みカーボンと樹脂注入成形という共通の土台の上に立っています。

選ぶ軸はシンプルです。レースなら「サイロン」、ロングライドなら「フルイディティ」、未舗装路まで走るなら「ADHX45」、正統派の1台目なら「NXR」、リムブレーキ資産を活かすなら「アルプデュエズ リム」。迷ったときは走る路面と使いたいタイヤ幅から逆に絞り込むと、候補は2つ程度まで減ります。

TIMEの自転車は国内正規代理店経由での販売となり、サイズ相談や保証も正規販売店で受けられます。カタログの数字だけで決めず、実車にまたがってサイズを確かめたうえで選んでください。TIMEのロードバイク選びの参考になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

学生のころから自転車に親しみ、これまで複数ブランドのロードバイクやクロスバイクを実際に購入して乗り比べてきました。各モデルの機能や乗り味、選び方の違いを実購入者の目線で整理し、何を基準に選べばいいか迷う方に向けて『サイクルセレクト』を運営しています。

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