【FACTOR】自転車全12モデルを比較|ロードからグラベルまでおすすめはどれ?

  • FACTORの自転車は種類が多くて、どのモデルを選べばいいかわからない
  • ONEやOSTRO VAM、O2 VAMなどロードバイク同士の違いを知りたい
  • グラベルやTT、MTBまで含めて、自分の走り方に合うFACTORのモデルはどれ?

「FACTOR(ファクター)」は2016年に本格始動したロードバイクを主力とするカーボン自転車メーカーで、ワールドツアーのプロチームからアマチュアレーサーまで幅広く支持されるレース志向の自転車ブランドです。自社工場で設計から製造まで手がけるカーボンフレームと、風洞実験で磨いた空力性能に定評があります。

自転車は自分の用途や走るコースに合わないモデルを選んでしまうと、ペダリングの効率や乗り心地、レースの結果にも影響します。狙ったレースで力を出し切るためにも、FACTORの自転車は各モデルの性能や特徴の違いを理解して選ぶことが大切です。

この記事では、FACTORの特徴や独自テクノロジーをわかりやすく解説し、現行の自転車を全モデル比較します。ロードやグラベル、MTBなどカテゴリー別のおすすめモデルも紹介しますので、FACTORの自転車が気になっている人はぜひチェックしてください。

タップできる目次

FACTORとはレースの速さに特化した自転車ブランド

FACTORとは、英国のエンジニアリング企業から生まれ、2016年にブランドとして本格始動したカーボン製の自転車ブランドです。ワールドツアー(自転車ロードレースの最上位カテゴリー)で使われるロードバイクを中心に、空力と軽さを突き詰めた設計に定評があります。

FACTORはロードバイクに加えてTT(タイムトライアル)やトラック、グラベル、MTBも手がけており、ラインナップのすべてがレース志向の自転車です。プロのレース機材として開発した技術を市販モデルに反映しているため、ブランドの背景を知っておくと各モデルの設計の狙いを理解しやすくなります。

FACTORのブランドコンセプト

FACTORが掲げる理念は「Never Status Quo(現状維持をしない)」です。自転車業界の流れに合わせるより、業界を前へ押し進める側に立つという姿勢を、FACTORは公式サイトで明確に打ち出しています。

FACTORの自転車づくりの軸は、エンジニアリングを最優先し、レースで最速になることを開発の基準に置く姿勢です。ONEを「世界最速のロードバイク」、O2 VAMを「世界最速のクライミングバイク」と公式が位置づけているように、各カテゴリーで最速を狙った自転車が並びます。

速さを軸にしたFACTORのコンセプトは、レースで結果を出したいライダーにとって機材選びのわかりやすい判断材料になります。一方で、のんびり街乗りを楽しむためのコンフォート系の自転車はFACTORのラインナップに用意されていません。

FACTORの歴史・創業背景

FACTORのルーツは、レーシングカーや航空宇宙産業に関わるイギリスのエンジニアリング企業「bf1systems」にあり、2007年に同社から自転車ブランドとして誕生しました。2013年には、bf1systemsがF1由来の技術を注ぎ込んだコンセプトバイク「Vis Vires」を開発しています。

転機となったのは、1996年から台湾でカーボン製自転車の製造に携わってきたロブ・ギテリスの参画です。2016年にオーストラリアのステージレース「ツアー・ダウンアンダー」の開催中に契約がまとまり、ギテリスのもとでFACTORは自転車ブランドとして本格的に動き出しました。

2017年にはUCI(国際自転車競技連合)ワールドツアーのチーム「AG2R」がFACTORを採用し、ツール・ド・フランスでステージ優勝と表彰台を獲得しました。2021年にはクリス・フルームが出資して共同オーナーに加わり、2024年に発表したOSTRO VAMはデビュー戦で勝利を挙げています。

FACTORの特徴・強み

FACTORの大きな強みは、フレームの設計から試作、製造までを台湾の自社工場で一貫して手がけている点です。朝に作ったフレームを午後にはテストできる体制を持ち、FACTORは自転車の改良サイクルを短く回しています。

CFD(コンピューター上で空気の流れを解析する数値流体力学)で形状を繰り返し検討し、風洞実験で効果を確かめるのがFACTORの空力開発の手法です。ワールドツアー選手による実走テストも重ねており、レース現場の意見が市販の自転車に反映されます。

日本ではトライスポーツ(TRISPORTS)が輸入代理店としてFACTORを取り扱っており、全国の取扱販売店を通じて購入できます。店頭在庫は少なく取寄せが中心になるため、FACTORの自転車を検討している人は早めに販売店へ相談するとスムーズです。

FACTORの関連ブランド

FACTORの関連ブランドとして押さえておきたいのが、ホイールやハンドル周りのパーツを手がける「Black Inc(ブラックインク)」です。Black IncはFACTORの創業者ロブ・ギテリスが立ち上げた姉妹ブランドで、FACTORと同じ台湾の拠点で開発を進めています。

Black IncはFACTORのフレームと同じ開発プロセスを使い、社内のCFDやFEA(構造解析)でホイールとコクピット(ハンドルバーとステムまわりの部品)を設計しています。FACTORのフレームと組み合わせる前提で作られているため、FACTORの完成車の多くはBlack Inc製のホイールや一体型バーステムを組み込んだ構成です。

フレームとパーツを同じ開発プロセスで設計しているため、FACTORの自転車は購入した時点で空力設計がそろった状態で走り出せます。ホイールを後から買い足さなくても、FACTORが想定した性能を引き出しやすい点はユーザーにとって大きなメリットです。

FACTORの機能とテクノロジー

FACTORの自転車の速さと実用性を支えているのが、レースで培った空力開発の手法や、ハンドル周りを一体化するパーツ、フレーム内の収納機能などの独自テクノロジーです。ここでは、FACTORのモデル選びで知っておきたい主要な機能を解説します。

搭載している機能はモデルによって異なるため、FACTORの自転車を比較する前に各テクノロジーの役割を押さえておくと、自分の走り方に必要な装備と不要な装備を判断しやすくなります。

FACTORの自転車に搭載されている代表的な独自テクノロジーは、以下の4つです。

  • Rapid Iterative Design|CFDと風洞で磨く空力開発
  • Black Inc 一体型バーステム|ケーブル完全内装のエアロコクピット
  • フレーム内蔵ストレージ|サドルバッグ不要の収納スペース
  • Prisma Studio|1台ずつ仕上げるカスタムペイント

Rapid Iterative Design|CFDと風洞で磨く空力開発

Rapid Iterative Designは、FACTORが空力性能を高めるために採用している開発手法です。コンピューター上のシミュレーションで形状の試作と評価を短いサイクルで繰り返し、有望な形状だけを風洞実験で検証します。

FACTORはOSTRO VAMの開発で、数十種類のヘッドチューブ形状をシミュレーションで比較し、風洞で優位性を確かめてから採用しました。OSTRO VAMは旧世代より250g軽くなり、同じ速度で走るのに必要なパワーを7W(ワット)減らしています。

空力開発を突き詰めた最新のONEについて、FACTORはOSTRO VAMよりさらに8%以上速く、ヨー角(横風を受ける角度)0〜15°の範囲で優位を保つと公表しています。風向きが変わる実際の道路でも速度が落ちにくく、平坦なレースで脚の消耗を抑えたいライダーに恩恵の大きい技術です。

Black Inc 一体型バーステム|ケーブル完全内装のエアロコクピット

Black Inc 一体型バーステムは、ハンドルバーとステムを1つのカーボンパーツとして成形したFACTORのコクピットです。FACTORの姉妹ブランドであるBlack Incが、FACTORのフレームに合わせて形状を設計しています。

ブレーキホースや変速用のケーブルをハンドル内部に通すことで、FACTORの自転車は前面に露出する部品を減らしています。ロードのONEやOSTRO VAM、MONZA、グラベルのSARANAまで、一体型バーステムはFACTORの幅広いモデルに共通する装備です。

空気抵抗を減らせることに加えて、ケーブル類が外から見えないすっきりした外観もFACTORの一体型バーステムの魅力です。一方でハンドル幅やステム長をあとから細かく変えにくいため、FACTORの自転車はフィッティングを済ませてからサイズを選ぶことをおすすめします。

フレーム内蔵ストレージ|サドルバッグ不要の収納スペース

フレーム内蔵ストレージは、ダウンチューブ(ハンドル下からペダル付近へ斜めに伸びる太いパイプ)の内部を収納スペースとして使うFACTORの機能です。パンク修理用のチューブやCO2ボンベなどを、サドルバッグを付けずに持ち運べます。

FACTORはMONZAで、チューブ2本とCO2ボンベ2本、パッチキットをフレーム内に収められるようにし、サドルバッグを使う場合と比べて最大6Wの空気抵抗を削減できると公表しています。トライアスロン用のSLiCKやグラベルのSARANAとALUTOも、ダウンチューブに収納スペースを備えたFACTORのモデルです。

自転車のシルエットを崩さずに補給品や工具を積めるため、FACTORのフレーム内蔵ストレージは長距離レースや遠出のライドで役立ちます。見た目をすっきり保ちながら空気抵抗も抑えたいライダーには、フレーム内蔵ストレージを備えたFACTORのモデルがおすすめです。

Prisma Studio|1台ずつ仕上げるカスタムペイント

Prisma Studioは、FACTORの自転車を自分好みの配色で注文できる公式のカスタムペイントプログラムです。ベースカラーやアクセントカラー、ロゴの色、グロスかマットかの仕上げなどを、FACTORの公式サイト上で組み合わせてデザインできます。

注文したデザインを仕上げるのは、FACTORの社内の塗装職人によるハンドペイントです。ホイールのデカールやバーステム、シートポストの色まで指定できるため、フレームからパーツまで統一感のあるFACTORの自転車を作れます。

国内でもトライスポーツがPrisma Studioの注文に対応しており、公式サイトで作成したデザインをもとに販売店を通じてオーダーできます。人と被らない配色でFACTORの自転車を所有したい人に、Prisma Studioはおすすめのサービスです。

FACTORの全種類を比較

FACTORの自転車は、ロードバイクを中心にTT/トライアスロン、トラック、グラベル、MTB(マウンテンバイク)まで幅広いカテゴリーをそろえたラインナップです。ここではFACTORの全モデルの種類と違いを、カテゴリーごとの比較表とモデル詳細で順に解説します。

カテゴリーによって比べるべき項目が異なるため、FACTORの自転車は出場するレースや走る路面からカテゴリーを絞り込み、同じカテゴリーの中でモデルを比べるのが効率の良い選び方です。

FACTORの自転車をロードからMTBまで、以下の5カテゴリーに分けて紹介します。

  • ロードバイク
  • TT/トライアスロンバイク
  • トラックバイク
  • グラベルバイク
  • マウンテンバイク(MTB)

ロードバイク

FACTORの主力であるロードバイクは、空力を突き詰めたエアロロードから軽さを重視したクライミングバイク、日々の練習とレースを両立するモデルまでそろっています。平坦のスピード重視か登り重視かで向くモデルが変わるため、比較表で位置づけを確認してから各モデルの詳細をチェックしてください。

スクロールできます
モデル名 位置づけ 最大タイヤ幅 公称重量 フレーム内蔵ストレージ 適したシーン
ONE UCI適合ロードの最速モデル 34mm – 無 平坦レース・クリテリウム
OSTRO VAM 軽さと空力を両立するオールラウンドロード 28mm(最適化) 7kg未満(Sub-7kg) 無 オールラウンド・ロングライド
O2 VAM 世界最速級のクライミングロード 32mm 6.4kg(54cm・Di2完成車) 無 ヒルクライム・山岳コース
MONZA レースと日常を両立するロード 34mm – 有(6W削減) 初レース・アマチュアレース

ONE

【ONE】の製品画像

項目 内容
モデル名 ONE
位置づけ UCI適合ロードの最速モデル
最大タイヤ幅 34mm
公称重量 –
主要装備 一体型ハンドルバーステム(5サイズ)

「ONE」は、FACTORが「世界最速のロードバイク」とうたうフラッグシップのエアロロードバイクです。FACTORが手がけてきたUCI適合ロードの中で最も速いモデルと位置づけられ、左右に大きく開いたフォークと太いフロントまわりが外観の特徴になっています。

FACTORが公表している空力性能は、OSTRO VAM比で8%以上の速さと、ヨー角0〜15°の全域で優位を保つ安定した特性です。最大34mmのタイヤに対応し、シートポストのヘッドでシート角を73.5°と76°から選べるうえ、一体型ハンドルもステム長110〜150mm相当の5サイズとハイライズ3種類から選択できます。

平坦基調のロードレースやクリテリウム(周回コースで行う短距離レース)、トライアスロンで1秒でも速く走りたい上級者におすすめのFACTORのロードバイクです。空力を優先した設計のため、軽さが重要な山岳中心のライドではO2 VAMのほうが向いています。

OSTRO VAM

【OSTRO VAM】の製品画像

項目 内容
モデル名 OSTRO VAM
位置づけ 軽さと空力を両立するオールラウンドロード
最大タイヤ幅 28mm(最適化)
公称重量 7kg未満(Sub-7kg)
主要装備 15mm幅の極薄エアロシートポスト

「OSTRO VAM」は、空力と軽さ、反応の良さ、快適性を1台にまとめたFACTORのオールラウンドなエアロロードです。2024年のツアー・ダウンアンダーで発表され、デビュー戦で勝利を挙げたモデルで、平坦から山岳までこなすレース機材として使われています。

OSTRO VAMは幅15mmの極薄エアロシートポストや、フレームの空力に合わせて形状を決めたエアロ一体型のボトルケージを採用しています。BB(ボトムブラケット:クランクの回転軸を支える部品)にはCeramicSpeed製のT47Aを使い、FACTORは7kgを切る軽さと空力性能を両立させました。

45cmのフレームサイズを新たに追加したことで小柄なライダーも選びやすくなり、タイヤは28mmに最適化されています。レースもロングライドもFACTORの自転車1台でこなしたいライダーには、まず検討してほしいおすすめのロードバイクです。

O2 VAM

【O2 VAM】の製品画像

項目 内容
モデル名 O2 VAM
位置づけ 世界最速級のクライミングロード
最大タイヤ幅 32mm
公称重量 6.4kg(54cm・Di2完成車)
主要装備 Black Inc 28|33ホイール(1,198g)

「O2 VAM」は、FACTORが「世界最速のクライミングバイク」と位置づける軽量ロードバイクです。2017年のツール・ド・フランスでステージ優勝を挙げたO2の流れをくむモデルで、登りでの軽さに加えて空力性能も高めています。

54cmサイズのShimano Dura-Ace Di2完成車で6.4kgという重量は、FACTORのロードバイクの中でも特に軽い数値です。1,198gのBlack Inc 28|33ホイールを組み、最も細い部分で10mmのトップチューブとドロップドシートステー(シートステーを低い位置で接合する形状)がしなることで、サドルに伝わる突き上げを和らげます。

最大32mmのタイヤに対応し、ヨー角0〜5°ではOSTRO VAMとの差がわずか5Wと、平地でも大きく遅れません。ヒルクライムレースや峠を繰り返し登るロングライドで軽さを武器に走りたいなら、FACTORのO2 VAMがおすすめです。

MONZA

【MONZA】の製品画像

項目 内容
モデル名 MONZA
位置づけ レースと日常を両立するロード
最大タイヤ幅 34mm
公称重量 –
主要装備 フレーム内蔵ストレージ(6W削減)

「MONZA」は、OSTRO VAMのエッセンスを受け継ぎながら、より多くのレーサーに届くよう設計を見直したFACTORのロードバイクです。「Real World Fast」を掲げ、仕事や家庭と両立しながら日曜のレースで勝ち、月曜には練習に出るようなライダーを想定しています。

フレーム内蔵ストレージにはチューブ2本とCO2ボンベ2本、パッチキットを収納でき、サドルバッグと比べた空気抵抗の削減幅は最大6Wです。最大34mmのタイヤとUDH(SRAMが提唱する共通規格のディレイラーハンガー)に対応しており、フロントシングルのロード用コンポーネントも選べます。

上下1.5インチのヘッドベアリングや、清掃と注油がしやすいTwo-Clamp Seatpost Systemを採用し、FACTORはMONZAの日々のメンテナンスの手間を抑えました。初めてFACTORの自転車を選ぶ人や練習量の多いアマチュアレーサーには、実用性とレース性能をバランス良く備えたMONZAをおすすめします。

TT/トライアスロンバイク

FACTORのTT/トライアスロンバイクは、1人ずつスタートしてタイムを競うタイムトライアルと、スイムとバイク、ランを続けて行うトライアスロンに向けた自転車です。UCI規定への適合や補給用の収納機能に違いがあるため、出場する競技に合わせて比較表と各モデルの詳細を確認してください。

スクロールできます
モデル名 UCI適合 収納機能 主要装備 適した種目
HANZŌ 100%適合 – Sharp Leading Edge(前部投影60%減) UCI公認TTレース
SLiCK – ダウンチューブ下+トップチューブ台座 Black Inc FIFTY EIGHT/SIXTY TWOホイール ロングディスタンストライアスロン

HANZŌ

【HANZŌ】の製品画像

項目 内容
モデル名 HANZŌ
UCI適合 100%適合
収納機能 –
主要装備 Sharp Leading Edge+Di2ジャンクション内蔵
適した種目 UCI公認TTレース

「HANZŌ」は、FACTORが「世界最速の専用設計タイムトライアルバイク」とうたうTTバイクで、UCI規定に100%適合しています。FACTORによると、トライアスロン用のSLiCKより空力効率に優れ、UCI規定の対象外となるTTバイクよりも速いとされています。

UCIの規定でチューブ断面の最小幅が2.5cmから1cmに引き下げられたことを受け、HANZŌは前縁を鋭く絞ったSharp Leading Edgeを採用し、投影面積をSLiCK比で31%減らしました。

NACA 3:1断面のシートポストや、一体成形フォークとモノライザー(エアロバーを1本の支柱で支える構造)、ダウンチューブに隠したDi2ジャンクションで、風を受ける部品を減らしています。

UCI公認のTTレースに出場するライダーや、トライアスロンでも空力を最優先したい人におすすめのFACTORのTTバイクです。補給の回数が多いロングディスタンスのトライアスロンでは、収納機能を充実させたSLiCKのほうが扱いやすくなります。

SLiCK

【SLiCK】の製品画像

項目 内容
モデル名 SLiCK
UCI適合 –
収納機能 ダウンチューブ下+トップチューブ台座
主要装備 Black Inc FIFTY EIGHT/SIXTY TWOホイール
適した種目 ロングディスタンストライアスロン

「SLiCK」は、FACTORが「Pure Triathlon」を掲げるトライアスロン専用バイクで、レースに数多く出場するトライアスリートに向けて開発されました。OSTRO VAMとHANZŌ Trackで培ったエアロ形状のチューブを取り入れ、空力と実用性を両立しています。

ダウンチューブのボトルケージ下には専用バッグ付きの収納スペースがあり、チューブやタイヤレバー、小型工具をまとめて積めます。トップチューブにはFACTOR専用のベントボックス(補給食を入れる小物入れ)とハイドレーション用リザーバーを取り付ける台座があるため、走りながらの補給もスムーズです。

FACTORのSLiCKは規格品の1-1/8インチのステアリングコラムを採用しており、遠征時の分解やハンドル周りの調整もしやすい設計です。アイアンマンのような長距離のトライアスロンで、補給のしやすさと速さを両立したい人におすすめします。

トラックバイク

FACTORのトラックバイクは、ベロドローム(自転車競技用の周回走路)で使う、変速機とブレーキを持たないトラック競技専用の自転車です。タイムを競うパシュート向けと、集団で走るマススタート種目向けでモデルが分かれているため、出場する種目を基準に比較表と各モデルの詳細を確認してください。

スクロールできます
モデル名 想定種目 シートポスト形式 ヘッドチューブ/コラム規格 BB規格 主要装備
HANZŌ Track 個人・団体パシュート スウェプトバック(後方傾斜) – – Black Inc ZERO Trackホイール
RAIDEN スプリント/マディソン/オムニアム レール式(位置調整可) 1-1/8インチ(ストレート) T47x 68mm Vision Metron Trackハンドル

HANZŌ Track

【HANZŌ Track】の製品画像

項目 内容
モデル名 HANZŌ Track
想定種目 個人・団体パシュート
シートポスト形式 スウェプトバック(後方傾斜)
ヘッドチューブ/コラム規格 –
主要装備 Black Inc ZERO Trackホイール

「HANZŌ Track」は、オーストラリアのナショナルトラックチームのためにFACTORが2年以上をかけて開発したトラックバイクです。個人・団体パシュート(トラックの反対側から同時にスタートしてタイムを競う種目)などのタイム系種目に向けて、空気抵抗を削ることを最優先に設計されています。

HANZŌ Trackの特徴は、最新のUCI規定に合わせて細身に仕上げたヘッドチューブと、ライダーの脚とシートポストの間に空間を確保する後方傾斜のスウェプトバックシートポストです。

フォーククラウンはラダー(舵)のように車輪とのすき間を詰める形状で、AusCyclingと共同開発したBlack Inc ZERO Trackディスクホイールと組み合わせて空気の流れを整えます。

ナショナルチームの要求に合わせた競技専用の設計のため、個人・団体パシュートで記録更新を狙う競技者におすすめのFACTORのトラックバイクです。集団で走る種目には、サドル位置を幅広く調整できるRAIDENが向いています。

RAIDEN

【RAIDEN】の製品画像

項目 内容
モデル名 RAIDEN
想定種目 スプリント/マディソン/オムニアム
シートポスト形式 レール式(位置調整可)
ヘッドチューブ/コラム規格 1-1/8インチ(ストレート)
主要装備 Vision Metron Trackハンドル

「RAIDEN」は、HANZŌ TrackとOSTRO VAMの知見を組み合わせた、FACTORのマススタート種目向けトラックバイクです。チェーンステーとシートステーはHANZŌ Trackを参考にペダリングの力を伝えやすくし、フォークとヘッドチューブはOSTRO VAMの翼断面を深くして集団走行での空気の流れに合わせています。

シートポストはサドル位置を幅広く調整できるレール式で、コラムは規格品の1-1/8インチのため、ハンドルとステムの組み合わせを自由に選べます。BBはメンテナンスしやすいT47x 68mmで、ハンドルには複数の握り位置を持つVision Metron Trackを組み合わせた構成です。

スプリントからマディソン(2人1組で交代しながら周回を重ねる種目)、オムニアム(複数種目の合計得点で競う種目)まで、集団の中で駆け引きする種目に出る競技者には、FACTORのRAIDENをおすすめします。

グラベルバイク

FACTORのグラベルバイクは、舗装路と未舗装路が混じるグラベルロードを速く走るための自転車です。長い距離を走り続けるウルトラディスタンス向けとレース向けで設計の方向性が異なるため、走る距離とタイヤの太さを軸に比較表と各モデルの詳細をチェックしてください。

スクロールできます
モデル名 位置づけ 最大タイヤ幅 サスペンション対応 変速方式 ダウンチューブ収納
SARANA ウルトラディスタンス向け耐久グラベル 57mm(29×2.2インチ) リジッド/30mmトラベルサス対応 SRAM XPLR(電動) 大型(専用バッグ付属)
ALUTO レース志向グラベル 前52mm/後47mm(最適45mm) – 電動専用(機械式非対応) 有(チューブ・CO2収納)

SARANA

【SARANA】の製品画像

項目 内容
モデル名 SARANA
位置づけ ウルトラディスタンス向け耐久グラベル
最大タイヤ幅 57mm(29×2.2インチ)
変速方式 SRAM XPLR(電動)
ダウンチューブ収納 大型(専用バッグ付属)

「SARANA」は、「Where speed meets distance」を掲げるFACTORのウルトラディスタンス向けグラベルバイクです。長時間走り続けるグラベルレースを想定し、舗装路での進みの良さと悪路での耐久性を両立しています。

リーフスプリング式シートステーは、ドロップドステーとわずかにオフセットしたシートチューブでフレームをしならせ、従来の耐久モデルと比べて振動の振幅を18%低減します。最大57mm(29×2.2インチ)のタイヤに対応し、リジッドフォークと30mmトラベルのサスペンションフォークのどちらを組んでもハンドリングが変わらない設計です。

ダウンチューブには専用バッグ付きの大容量収納があり、Post Carryと共同開発したフレームバッグにも荷物を積めます。バイクパッキング(自転車にバッグを付けて旅をするスタイル)で長距離を走るライダーや、ウルトラディスタンスのレースに挑む人におすすめのFACTORのグラベルバイクです。

ALUTO

【ALUTO】の製品画像

項目 内容
モデル名 ALUTO
位置づけ レース志向グラベル
最大タイヤ幅 前52mm/後47mm(最適45mm)
変速方式 電動専用(機械式非対応)
ダウンチューブ収納 有(チューブ・CO2収納)

「ALUTO」は、「Race-Bred. Gravel Ready.」を掲げるFACTORのレース志向グラベルバイクです。ロードレースで磨いた機敏な走りとグラベルへの対応力を両立し、グラベルレースから週末のロングライドまでこなす位置づけになっています。

タイヤ設計は45mm幅に最適化されており、最大で前52mm、後ろ47mmまで装着が可能です。UDH対応のリアエンドやT47A BB、チューブとCO2ボンベ、パッチキットを収められるダウンチューブ収納を備え、27.2mm径の丸型シートポストはドロッパーポスト(手元の操作でサドルの高さを変えられるシートポスト)にも対応します。

フレームは電動変速と油圧ブレーキ専用で、ケーブルはすべて内装されるため、機械式変速で組みたい人には向きません。グラベルレースで速さを競いながら、週末のロングライドも同じFACTORの自転車で楽しみたいライダーにおすすめです。

マウンテンバイク(MTB)

FACTORのマウンテンバイク(MTB)は、山の中の周回コースで順位を競うクロスカントリー(XC)レースに向けた29er(29インチホイール)モデルです。前後にサスペンションを備えたフルサスと、フロントのみのハードテイルで走りの性格が変わるため、比較表で違いを確認してから各モデルの詳細を読み進めてください。

スクロールできます
モデル名 位置づけ サスペンション形式 フレーム重量 サスペンションリンク機構 適したシーン
LANDO XC 軽量・俊敏な29erフルサスXC フロント120mm/リア115mm(100mmに変更可) 2,100g(リアサス込み) シングルピボットのフォーバー型リンク テクニカルな下りを含むXCレース
LANDO HT 軽量な29erハードテイルXC フロント110mmまたはリジッド選択 850g(フレーム単体) – 登り重視のXCレース・グラベル兼用

LANDO XC

【LANDO XC】の製品画像

項目 内容
モデル名 LANDO XC
位置づけ 軽量・俊敏な29erフルサスXC
サスペンション形式 フロント120mm/リア115mm(100mmに変更可)
フレーム重量 2,100g(リアサス込み)
主要装備 シングルピボットのフォーバー型リンク

「LANDO XC」は、軽さとシャープなハンドリングを追求したFACTORの29erフルサスペンションXCバイクです。国内代理店の資料ではリアサスペンション込みのフレーム重量が2,100gとされ、XCレースで求められる登りの軽さと下りの安定感を両立しています。

リアトラベルは45mmストロークのショックで115mm、40mmストロークで100mmに変えられ、フロントには120mmトラベルのフォークを組み合わせます。縦置きのショックとシングルピボットにリンクを組み合わせた独自のフォーバー型リンク、一体成形のカーボン製ロッカー、スプリットシートチューブで、FACTORはフレームをコンパクトにまとめました。

67°のヘッド角(地面に対するヘッドチューブの角度)で下りの安定感を確保し、75.5°のシート角でペダルの真上に膝がくるポジションをとれます。テクニカルな下りと急な登りが続くXCコースで、下りでもタイムを稼ぎたいライダーにおすすめのFACTORのMTBです。

LANDO HT

【LANDO HT】の製品画像

項目 内容
モデル名 LANDO HT
位置づけ 軽量な29erハードテイルXC
サスペンション形式 フロント110mmまたはリジッド選択
フレーム重量 850g(フレーム単体)
主要装備 Boost148・フラットマウントブレーキ

「LANDO HT」は、「The Ultimate Hardtail For Fast Times」を掲げるFACTORの29erハードテイルXCバイクです。国内代理店の資料ではフレーム単体850gとされており、XCレースを軸にしながらグラベル寄りの使い方にも対応する位置づけになっています。

フロントには110mmトラベルのサスペンションフォークか、Black Inc製のフルリジッドフォークを選べます。2.4インチまでのタイヤに対応して泥詰まりにも余裕があり、Boost 148(後輪ハブ幅148mmの規格)とフラットマウントのリアブレーキでチェーンステーをすべてカーボンで成形し、FACTORは軽量化を進めました。

リアサスペンションがない分、荒れた下りではLANDO XCより路面からの衝撃を受けやすくなります。登りの多いXCレースで軽さを重視するライダーや、リジッドフォークに替えてグラベルでもFACTORのMTBを楽しみたい人に、LANDO HTはおすすめです。

まとめ

この記事では、レースで最速の自転車を作ることを掲げるFACTORの成り立ちや強み、独自テクノロジーを解説し、ロードからMTBまで現行の全モデルを比較しました。台湾の自社工場で設計から製造までを手がけ、Black Incのパーツと組み合わせて性能を高めている点がFACTORの自転車の大きな特徴です。

FACTORのロードバイクは、平坦で速さを最優先するならONE、レースもロングライドも1台でこなすならOSTRO VAM、登り重視ならO2 VAM、初めてのFACTORならMONZAを選ぶのがおすすめです。TTやトラック、グラベル、MTBは、出場する種目と走る路面を軸に選ぶと自分に合うFACTORの自転車を絞り込めます。

FACTORの自転車は国内では取寄せが中心になるため、気になるモデルが見つかったら早めに取扱販売店へ相談してください。サイズやハンドル周りの仕様も販売店と相談しながら決めると、購入後のポジション調整もスムーズです。この記事が、FACTORの自転車選びの参考になれば嬉しいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

学生のころから自転車に親しみ、これまで複数ブランドのロードバイクやクロスバイクを実際に購入して乗り比べてきました。各モデルの機能や乗り味、選び方の違いを実購入者の目線で整理し、何を基準に選べばいいか迷う方に向けて『サイクルセレクト』を運営しています。

コメント

コメントする

タップできる目次